神輿渡御とは、御霊を遷した神輿が氏子町を練り歩き、神輿を御旅所に奉安し、地域の繁栄や人々の安寧と加護を願う神事で、神輿巡幸とも呼ばれます。
※かつては10月15日に津八幡宮より津市中心部へ、16日から17日は御旅所に鎮座し、18日に御旅所から津八幡宮へ還御しました。
※以下、10月第2月曜日の前々日を「一日目」、10月第2月曜日の前日を「二日目」とします。
写真1:大人神輿
神輿渡御神事
現在の神輿渡御神事は、一日目に津八幡宮を発輿(出発)して氏子町を巡幸し、同日夜に津観音北側にある御旅所に着輿(到着)します。二日目は御旅所より氏子町を巡幸し、同日夜に津八幡宮へ還御(帰り)します。
写真2:神輿巡幸行列
一日目
9時からは、しゃご馬、唐人踊り、八幡獅子舞などの郷土芸能が境内でお祓いを受け、奉納演舞を行い、その後順次、市内へ繰り出します。郷土芸能の奉納演舞が終わると、舞姫と子ども獅子舞が舞を行い、10時に神輿が津八幡宮を発輿(出発)します。
午前は八幡町内を、午後は大門や東丸之内など氏子町を練り歩き、同日夜に津観音北側にある御旅所に着輿(到着)します。
写真3(上):御霊遷し
写真4(下):子ども獅子舞
二日目
写真5:子ども神輿(手前)と大人神輿(奥) ※津まつり大パレードにて
神輿渡御と郷土芸能
この神輿渡御の行列は、大榊、石笛社、舞姫、子ども獅子舞、子ども神輿、大人神輿などから構成され、100メートルから200メートルほどの長い行列となります。この行列は神輿巡幸行列とも呼ばれ、津八幡宮の祭礼の中でも最大かつ最も華やかな神事となります。現在では郷土芸能と神輿の行列はそれぞれ別々に巡幸(巡行)しますが、しゃご馬や八幡獅子舞は神輿の先達として出現したとされていることから、かつてはこれら芸能も神輿行列の一部として加わっていたと考えられます。
写真6:石笛社(左)と舞姫(右)
津八幡宮の祭礼行列
しゃご馬、唐人踊り、八幡獅子舞などの郷土芸能は祭礼初期から伝わるとされており、古くから祭礼行列に加わっています。これらの芸能は、神輿渡御における魔除け、先達(道案内役)から、祭礼を華やかにして神様や群衆を楽しませてきたものなど様々な由来を持ち、祭礼行列を構成する出し物として伝わっています。
江戸時代にはおよそ1800人が参加して、豪華な衣装や造り物で群衆が囃し踊る行列を構成し、神輿行列や風流行列を繰り出したとされています。
現在では、一日目午前の八幡町内と二日目午後の津まつり大パレードにて、古くから伝わる郷土芸能と神輿が順に隊列をなして巡幸(巡行)する姿を見ることができます。
写真7:還御する神輿と郷土芸能
※山車は津民芸保存会
0コメント